いつ来る?わが子のイヤイヤ期

いつ来る?わが子のイヤイヤ期

2025/03/14

こんにちは!MuSuBi CLUB編集部のきなこです。

4月から新生活が始まるという方もたくさんいらっしゃることでしょう。

本日のテーマは「イヤイヤ期」について。

わが子のイヤイヤ期を振り返ってみると、2歳前になんとなく始まって、じわじわと長く続いていたように思います。

スーパーのお菓子コーナーの前からがんとして動かなくなったり この道は絶対に通りたくない!!と頑なだったり…

「アダ!(やだ!)」と、 よく意思表示していました。

 

まわりの小学生ママ達に聞いてみると… 

 

「ん?イヤイヤ期?

そんなになかったよ〜」

 

との声が!

しか〜し… こちらから具体的な例を振り出してみると、「あーそれ、うちもあったわ!」とエピソードの嵐。

 

出てくるわ出てくるわ…

それ立派なイヤイヤ期ですね?(笑)

 

過ぎてみればそんな時期もあったわね、なんてネタにもできますが、当時&当事者たちは大変。疲弊と消耗の連続だったり、ストレスを感じたり。

私の所感では、はっきり強めのイヤイヤ期があった子もいれば、比較的弱め&長めに続いた子も。どちらが大変かはさておき(汗)、大きくは2つのパターンに分けられるのかな!?と思ったのですが…どうなのでしょう。

MuSuBi CLUB育児アドバイザー保育士、mielさんにお聞きしてみましょう!

mielさん:そうですね!2パターンかどうかは微妙なところですが(笑)、その子の性格によって現れ方に差があります。 保育士の提案に応じてくれる子もいれば、ひと工夫もふた工夫も必要で、一筋縄では行かない子もいますね。

今日は就学前のお子さんたちと接していて感じることをお話しします。

 

contents

成長の証とは言うけれど…

1歳ってむずかしい!?

イヤイヤあるある

メッセージ

本の紹介

終わりに

 

 

成長の証とは言うけれど…

編集部 きなこ(以下k):初めての育児では特に、いつ来るの?とドキドキ。情報が先走りして「イヤイヤ期=怖いもの」と思うママさんも多いのではないでしょうか。

mielさん(以下m):日々の対応が大変なことはもちろんありますが、イヤイヤ期は自我の芽生えで子どもの独立宣言です。「扱いにくくなった」など困った姿として見てしまいがちですが、発達の一つの段階。そして、時期によって対応も変わります。

※参考: 今井 和子 0歳児から5歳児 行動の意味とその対応』小学館


 

1歳ってむずかしい?

👶タイミングを見逃さない

m:1歳さんは「待ってて」が通用しません。行動を先読みし、事前に準備することが大切だと感じます。また、その子のやる気を見逃さないよう、タイミングを見て声をかけるよう心がけています。

k:スムーズに次に移れる準備に力を注ぐということですね?

m:そうです。例えば室内遊びから外遊びに移るときなど、次に行動させる下準備をしておいてから、タイミングを見極めて伝えます

 

👶 1歳の意思表示

「どうしてもこの引き出しを開けたい!!」

m:こういった行動は、興味からくるものなので、危険ではないと感じたら、存分にやらせてあげてください。とくに、1歳は新しいことへの興味のかたまり。なので、危険がなければ制限しない環境を整えてあげたいです。(冷蔵庫など危険がある場所は、市販のセーフティーロックを使うなどリスク排除を徹底してください)


 

イヤイヤあるある

k「魔の2歳児」ってよく見聞きしますが…

m:保育園でいえば1歳児のクラス、つまり2歳を迎える時期の子たちが それに当てはまるかなと思っています。自分のことは自分で決めたい」といわんばかりに自己主張をはじめるようになります。いわゆる自我の芽生えです。「イヤ」と言葉を発し、自分の要求を言葉で表します。

「いいよ」よりも「イヤ」がより強く出しやすい表現なんです。

 

k:個人差もちろんありますが、「イヤイヤ」への対応は、成長段階によってアプローチが異なるということなんですね。 具体的なケースについてもお聞きします。

 

🧒Case1

「遊びが優先。食べてくれない!」

m: 遊びは、何より楽しいものだから自然なこと。1歳、2歳前なら20分を目安に、テンポよく食べさせます。集中が途切れたら終わらせます。

「何が好きで何が苦手か」、「汁物を最後にしたい」など、一人ひとりに合わせてどうやって背中を押すかが保育士の腕の見せどころです(笑)

給食ではフルーツなどのデザートがみんなのお楽しみ。時には「デザート食べれるようにがんばろ!」と背中を押したりもします。 

食べられたら褒めたり認める声かけを必ずして、自信をサポート。 承認欲求にこたえる作戦です✌️

 

🧒Case2

「もう寝る時間なのに、動画視聴エンドレス…」

m: 保護者様からそんなお話もよく聞きます。 動画視聴そのものについてはここでは傍におきますが、家庭でのルールを守ってくれないということについて言うなら、お母さん以外の人、例えば保育士と約束をすることで伝わり方が違ったりしますね。

「〇〇ちゃん、ママ寝てなくてつらいです」「電気が消えたら寝ます」などわかりやすい言葉で伝えます。「ママに明日聞くからね」のひと言も効果的です。

私は常に「保育士はママたちの味方」というポリシーで日々の保育に携わっていて、一緒に解決策を探りたいと考えています。試行錯誤の毎日だと思いますが、育児の課題は答えが一つではないからこそ、試みる方法もたくさん見つかるのではないかと思います。

 

🧒Case3

「お風呂に入りたくない!」

m:生活サイクルもあって「今入って欲しいのに」って思いますよね。

楽しいアイテムを使ってもいいし、「これをしたらこうする」と見通しを先に伝えることも大切。ご飯と順番を変えてみたり、柔軟な対応を心がけたいです。

そして可能なら、時には他の人の手を借りてください。他の人と入らせてみたら、すんなり入ってくれたり…いろいろ試してみていただきたいです。

k:我が家では、遊びに夢中で行きたがらない時は、タイマーのボタンを一緒に押して「これが鳴ったらお風呂だよ」など、気持ちをうまく切り替えられるよう促したりしました。

何か強い理由があって入りたくない時もあるかもしれませんよね。そんな時は、親も子供も無理しない、ホットタオルで体を拭くだけのコースも奥の手として準備しておきました。1日で何かを解決するのは難しいから、ちょっと長い目で見ればいいか…という思考ですね(笑)。

 

 

メッセージ

m「イヤイヤ」の中にも寄り添える内容と、そうではない内容があります。

人に迷惑がかかる事柄などは迷わず即座に「おしまい」とリセットさせる。「そうだね」と寄り添うべき時とはっきり区別して、いい意味で割り切る姿勢が必要だと思います。

そして、言葉での説明が「わかる」ようになってくれば、話して理解してもらうことに私はフォーカスします。「叱る」のではなく、「どうしてだめなのか伝える」スタンスです。

説明を聞いてそれを理解し、納得するという練習が、コミュニケーションの土台となっていくと考えます。彼ら彼女らは「言葉の仕入れ」をする大切な時期の真っ只中。

園でいろいろな子と接していると、子どもの言葉に「返す」ことの大切さを改めて実感します。

「ちょっと待って」と言いたくなる場面が、大人にはたくさんあると思います。

例えば、「抱っこして」に対しては、3秒でいいから抱っこしてあげたい。でも、家事などでできない時もありますよね。できなくても、単に「待って」ではなくて「〇〇したらするからね」と伝えることで大きな違いがあると思います。

繰り返しになりますが、保育士はママさん達の味方です。ご家庭との連携があってこそ、園での保育も活きてくると感じる日々です。

つらい時はママは無理せず、「保育園で栄養たっぷりの給食食べて、思いっきり遊んできてお昼寝もしっかりして帰ってきて!」くらいのスタンスで送ってきていただければと思っています☺️

※参考: 今井 和子 0歳児から5歳児 行動の意味とその対応』小学館


 

 

本の紹介

本日ご紹介する書籍はこちら、

『子どもはみんな問題児。』(新潮社)

新潮社ノンフィクション・チーム Xアカウント投稿より

 

あの『ぐりとぐら』の原作者、中川李枝子さんの著書。ご自身の育児はもちろん、保育士として17年間保育に携わった経験を軸にまとめられています。

「いざという時、子どもは強い」「ナンバーワンは、お母さん」など、どの章にも子育てする人をまるごと包んでくれる、育児をしていく上で力になるであろう言葉が詰まっています。

この本を知人から贈られた当時、日々の育児にとまどい、疲れ、スマホ以外の活字からはすっかり遠ざかっていた私でしたが、可愛らしい挿絵をパラパラと眺めているうちに、ぐんぐん引き込まれて気がついたら読み終わっていました! 気になる見出しのページだけ読むのも◎。ずっと大切に本棚に置いておきたい一冊です。


 

 

終わりに

mielさんのお話から、イヤイヤ期は自己主張ができるようになったしるしで、この時期のやりとりが子ども達のこれからのコミュニケーションの土台になっていく大切な成長過程なのだと分かりました。

「ちょっと待って」を連発していた私には身の引き締まるようなお話もありましたが、 「イヤイヤ期」について少し客観的な視点をお持ちいただけたのであれば、今回のインタビューは大成功🎵

「大人になってからイヤイヤ言ってる姿を想像してみてください(笑)それは困りますよね。お子さんにとっては“今がその時”なんです」 というひと言も印象に残りました。

 

\ mielさんのプロフィールはこちら /

(一部のお話は過去のコラムから再掲しています)

★最後までお読みいただきありがとうございました★